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映画の小部屋 以前見た映画インデックス

私が以前観た映画のうち、タイトルがさ行で始まる作品を集めました。ほかの映画レビューを観られる場合は、「映画の小部屋」メインページに戻って、他のインデックスを選んでください。

は 〜 ほ
2007年大暑の頃パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド
2007年小暑の頃ハリーポッター 不死鳥の騎士団
2007年清明の頃ホリディ
2007年春分の頃プロデューサーズ
2006年大雪の頃パプリカ
2006年小雪の頃プラダを着た悪魔
2006年大暑の頃パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
2006年小暑の頃ブレイブ ストーリー
2006年芒種の頃ポセイドン
2005年大雪の頃バトルフィールド アース
2005年小雪の頃ハリーポッターと炎のゴブレット
2005年小暑の頃バットマン ビギンズ
2005年小満の頃バタフライ エフェクト
2005年春分の頃博士の異常な愛情
2005年啓蟄の頃ボーン スプレマシー
2004年小雪の頃ハウルの動く城
2004年白露の頃バイオハザード2 アポカリプス




2007年大暑の頃 パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド
評点 続きものですが、アクションシーンだけでも十分
不条理な世界は私は大好き
キース・リチャーズの存在感は物凄い
フォロー '03年の第一弾公開時、ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジェフリー・ラッシュの4人豪華キャストを文句に宣伝が行われていたにも関わらず、蓋を開けてみると、まさに、ジョニー・デップの一人舞台だった事が今もなお記憶に残るパイレーツ・オブ・カリビアンですが、このシリーズも最終章となりました(一作目が大当たりしたから二作目三作目が作られたという話もありますが)。

二作目(前作)では、クラーケンの「ディヴィ・ジョーンズ」によって異世界に閉じ込められたジャック・スパロウを助けるために魔女「ティア・ダルマ」の元へ尋ねたウィル・ターナー達。しかし、そこで見たものは一作目で死んだはずの「キャプテン・バルボッサ」だった!!という所でエンドロールを迎え、まるで「スターウォーズ・帝国の逆襲」のラストのような消化不良っぷりを見せていました。当時の宣伝記事では「帝国の逆襲」との共通点が多いといろんな所で書かれていましたが、最後にフラストレーションがたまる所まで似なくてもいいのじゃないかと私などは呆れたものでした。

続きものの映画の場合、前作のおさらいをしておくのは本来鉄則のはずなのですが、今回私はそんな事は一切しませんでした。多分見直す都度にラストを見たときのあの唖然とした時の気持ちが反芻されるような気がしたからでしょう。

実際に見てみると、キャラクター同士の駆け引きのせいで、各々の関係がころころと変わります。あまり真面目に見ていると頭がついていけません。でも、そんな事はあまり考えずに「あ〜、また裏切ったぁ。わっはっは」くらいの気持ちで見るくらいが丁度いいでしょう。

今回はジョニー・デップ扮する「ジャック・スパロウ」の切れっぷりは若干鳴りを潜めていますが、ディビィ・ジョーンズによって送り込まれた不条理な世界での一人舞台はまさに逸品です。ドラッグムービーの短編を見ているような気にもさせられます。

あと、以前から噂されていたキース・リチャーズの出演シーンですが、これがまた凄い。彼は特に映画や演劇をしていた訳ではなかった筈なのですが、主役のはずのスパロウを完全に喰っています。まあ、喰われている方のジョニー・デップはそういう演技をしている筈ですが、キースの存在自体に迫力が有り、私なんかこれだけで映画代の元は取ったような気になってしまいました。

思い返すと、今度の作品は、キャラクター同士のやり取りがややこしい割に、ストーリはスカスカでした。でも、話を追って見ていくよりも、派手なアクション不条理な世界(あとキース)を楽しむのが良いかと思います。


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備考 出演 ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ
    チョウ・ユンファ/キース・リチャーズ
監督 ゴア・ヴァービンスキー
2007年7月公開 米国制作


2007年小暑の頃 ハリーポッター 不死鳥の騎士団
評点 SFXはシリーズの最初の頃と比べて地味
でも、見応えは有ります
「ロン」がおっさん臭くなってる
フォロー ハリーポッターの映画シリーズも5作目になりました。
1作目当時は10歳だった主役の「ダニエル・ラドクリフ」君も今では18歳。最近では劇舞台でヌードになり、賛否両論が出た事が記憶に新しい所です。Ki-Tsu-Neが思うには、彼はまだ18歳だし、レーニン役者じゃあるまいし、いつまでも「ハリー」でいる訳にはいかないのだから、こういう新しい挑戦もいいのじゃないのでしょうか。いきなりヌードには驚かされましたが。それよりもロン役の「ルパート・グリント」君が実年齢以上におっさん臭くなっていたのが気になりました。

今回は1作目・2作目あたりとは違い、大がかりなSFXはあまり見られません。原作シリーズが、最初はファンタジー部分が強く描かれていたのと比べ、巻が進むにつれて、ハリーの心理描写が増えていくのと歩調を合わせているのかもしれません。5巻はまだ1/4しか読んでいないのであまりエラそうな事は言えませんが(映画を観る前に原作を読んでしまうつもりだったのに情けない)。

あと、この話に出てくる新しい先生「アンブリッジ」を見て、私の知人から聞いたO先生(仮名)の話をふと思い出しました。
私の知人が小学校高学年の頃、O先生(女性・推定40代)は彼の音楽の担任でした。彼のクラスはどちらかと言うと授業中でも全く落ち着きが無く騒がしいわんぱくで逞しい子が多く集まっていました。そして、その頃授業の課題として「京の大仏」という童歌を習っていたそうです。この歌は、寛政年間に京都の方広寺にあった大仏が落雷で消失した事を歌にしたものだと言われています。童歌は、その頃起こった事件や、時には政治批判等が題材にされる事が有ります。大っぴらに権力への抵抗を行う訳にはいかなかった時代では、世の中への不満を童歌に託し、所詮子供の「戯れ言」という事を建て前にしながら社会批判が行われた場合も有りました。もっとも、わんぱく少年達にはそんな事は関係有りませんが・・・。
ある日、授業開始時にO先生が「京の大仏」と言うべき所を「奈良の大仏」と間違えてしまったのです。落ち着きのない坊主共わんぱく盛りの子供達はそれを聞くと、大きな声で笑い、そしてはやし立てました。O先生は、そんな子供達に対して一喝。「だまりなさいっ!」そして、O先生の特別講義(説教とも言う)が40分間行われました。
講義の内容について、私の知人は「退屈で眠たかった」と言っています。彼のコメントからすると、O先生の特別講義は知的好奇心を全くくすぐられなかったものだと思われます。
その頃、知人のクラスの担任は、音楽室の下の階にある職員室で休憩を取っていたそうです。いつもなら、上の部屋から自分の児童たちの調子はずれで頭の悪くなりそうな美しい歌声が聞こえてくるはずなのに、その日に限っては静まり返っていました。この頃はそんな時代だったのでしょうか?彼は体罰を多く行う所謂暴力教師だったのですが、さすがにこの特別講義が行われた事に関しては一言「おまえたち、気の毒だったな」との慰めの言葉を頂いたそうです。

世の中との関わり方に悩みをもち始めたハリー少年の活躍をお楽しみ下さい。



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備考 出演 ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント
    エマ・ワトソン/ゲイリー・オールドマン
監督 デヴィッド・イェーツ
2007年7月公開 英/米国制作


2007年清明の頃 ホリディ
評点 一粒で二度おいしい恋愛ドラマ
ライトなお話なので、仲の良い友だち同士で行くのに向いてます
私はホームエクスチェンジはやりたくないなあ
フォロー こんにちわ、Ki-Tsu-Neです。

私はこの映画を見て初めて知ったのですが、欧米にはお互いの家を短期間交換して過ごす「ハウスエクスチェンジ」というものが有るそうです。大体'50年代頃から始まり、最近はインターネットが普及したおかげでホームエクスチェンジの愛好者が増えているのだそうです。

で、この映画、恋に破れたキャリアウーマン2人が、ホームエクスチェンジのサイトで意気投合して、実際に家を交換する所から始まります。そして、お互いがそれぞれの場所で新しい恋を見つけるお話です。

キャメロン・ディアスの相手は、平日は2人の娘の子育てに追われる良き父親。でも、ジュード・ロウですからねえ。子供が居ても問題なしですね。

個人的にはジャック・ブラックのあまりスマートでは無いけど誠実な人柄の方に好感が持てました。

このお話は、二つの恋が平行して進んでいく形になっています。グリコのおまけでは有りませんが、一粒で二度おいしいとも言えるでしょう。
全体的に軽い恋愛ドラマです。恋人同士というよりは、友だち同士で行くのに向いているようです。

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備考 出演 キャメロン・ディアス /ケイト・ウィンスレット
    ジュード・ロウ/ジャック・ブラック
監督 ナンシー・マイヤーズ
2007年3月公開 米国制作


2007年春分の頃 プロデューサーズ
評点 アブないネタが結構満載
異様な高揚感が有るが、後の方で息切れ
おばあちゃん達、バイタリティ有るわぁ
フォロー こんにちは、Ki-Tsu-Neです。

ニューヨークと言えば、グローバル経済を担う世界最大の金融街である「ウォール街」を擁しますが、演劇文化最大の拠点「ブロードウェイ」もまた抱えています。
日本の場合、劇団四季のような例外を除くと、演劇は表現の一手段にとどまり、それでお金をかせぐなどは夢のまた夢です。しかし、ここブロードウェイならば、演劇は「ビジネス」として成り立っています。

この映画は、ブロードウェイでショーが失敗した場合、その興業にからむ金銭への会計監査が緩くなるのを見越せば、スポンサーからの出資金で大儲け出来ると考えたプロデューサー達のお話しです。

このお話し、ブロードウェイで大当たりをした劇を映画化したものです。演劇版は何十回もくり返し観に行く人も出る程のカルトな人気があり、最近では北朝鮮の外務次管も観賞した事が伝えられています(産経記事 アメリカ側からの接待だったそうです)。

簡単にあらすじを書くと・・・。
売れない演劇プロデューサー「マックス」の会計士を務める「レオ」は、「演劇の公演をわざと失敗させれば、お金儲けが出来る」方法を見つけだしました。お金が欲しいマックスと、プロデューサーを夢見るレオは最低な脚本・最低な演出家を探し出し、沢山の出資金を集めました。そして大コケ間違いなしのショーの幕が開きました・・・。

元がミュージカルだからなのか、映画が始まると物語はポンポンと進んで行きます。まあ、馬鹿馬鹿しい話が小ぎみよく続く様は爽快感さえ有ります。資金集めのシーンなどはもう圧巻です。この場面、舞台ならば役者さんがいろいろメークをする所なのでしょうが、この話の場合、大々的なオーディションをしたのでしょうか?気になる方々は実際に確認してみて下さい。

しかし異様な高揚感に包まれながら話が進行して行くのですが、いざ、劇中劇が始まった後は「息切れ」を起こしたようになってしまいます。舞台での演出ならば、こういうやり方で正解なのでしょうが、映像を見せる手段がスクリーンだと言うことを考えると、もっとムチャクチャをして欲しかったように思います。

この映画で、「ユマ・サーマン、でかっ」と思いながら観ていたのですが、後で調べると、彼女は身長が181cm有るそうです。演出じゃ無かったのですね。どうでも良い話ですが。

プロデューサーズ (公式HP)


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備考 出演 ネイサン・レイン /マシュー・ブロデリック
   ユマ・サーマン/ウィル・フェレル
監督  スーザン・ストローマン
2006年4月公開 米国制作


2006年大雪の頃 パプリカ
評点 アニメらしい幻想的な映像
妄想の映像は気味が悪くなるがそこが良い
ストーリよりは不条理な映像を楽しむべき
フォロー 大体4年程前だったでしょうか、関西の場合ならKBS京都・サンテレビ系列で「アベノ橋魔法☆商店街(公式HPはここ)」というアニメーションが放映されていました。このアニメ、物語のストーリは一応有るのですが、実態は「ファンタジーRPG」やら「SF」やら「ミリタリー」やら「恋愛シミュレーション」やらで彩られた「アベノ橋商店街」を舞台に主人公達が大暴れをする「スラップスティック」物でした。作中でのネタは相当に濃く、「黄色のつなぎ」やら「宇宙戦艦ヤマト」やら「小津安二郎の映画」やら、何もない所から有象無象が姿をあらわし、まるで闇鍋宴会をしている気にさせられたものです。いまではすっかり関東に根をおろし、アニメ制作ですっかり有名になったガイナックス(公式HPはここ)の「現風景(ガイナックスの発祥地は阿倍野橋・天王寺から2つ先の駅・桃谷です)」をかいま見たような気がしました。

そんな「アベノ橋魔法☆商店街」の作画を行っていた制作会社は、今回紹介する「パプリカ」のアニメ制作を行った「マッドハウス(公式HPはここ)」です。パプリカの舞台背景には、人間の深層心理・夢などが出てきます。「アベノ橋〜」でのごった煮のような感覚がここでも再現されるか楽しみです。

話のストーリは、終わってみると難しいものでは無いのですが、これは現実なのか・妄想の中なのかをわざと判りにくくしているために、観ている側の不安をかき立てられます。その演出が巧みだと言えるでしょう。

映像についても、ただの「何でもアリ」的なものでは無く、人間の妄想を存分に吐き出したものになっています。こういう感覚、個人的には大好きですね。この映画は話を追うのではなく、不条理な世界に身を委ねていく方がより楽しめるでしょう。

パブリカ(公式HP)

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パプリカ
筒井 康隆


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妄想をテーマにしたといえば、これは有名です。
R-15は伊達ではない、子供は観ちゃいけません。

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ザ・セル
ジェニファー・ロペス/ヴィンス・ヴォーン/ヴィンセント・ドノフリオ ターセム ジェニファー・ロペス
Color/Widescreen/Dolby/DTS Stereo



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備考 声の出演 林原めぐみ/古谷徹/江守徹/堀勝之祐
監督 今敏
2006年11月公開


2006年小雪の頃 プラダを着た悪魔
評点 ファッション界の話と言うよりは、有名ビジネスマンに仕える部下の話
メリル・ストリープの上司役が良い
私もこんな上司の下では働きたくない
フォロー この映画の宣伝コピーは、「こんな最高の職場なら、死んでもいい! こんな最悪の上司の下で、死にたくない!」でした。この宣伝通りでは、「限界を越えてわがままなボスが部下達をふり回す」映画のように思えます。

しかし、この映画でのボス「ミランダ」は、世界的なファッション雑誌「ランウェイ」の名物編集長。生き馬の目を抜くような厳しいこの業界を第一人者として戦っている人物です。彼女の秘書を含めた周囲の人々からは、一見唐突で不可解な言動から「ミステリアス」と言われながら、実際は冷徹な判断力と論理性を持ち合わせた女性として描かれていました。彼女の関係する人全てから畏怖されるキャラクターをメリル・ストリープが演じていました。お陰で、ドタバ夕オフィスコメディにならずに、笑わせながらも一本筋の入った作品に仕上がってました。

そんな「ミランダ」に対し、ファッションは「センスゼロ・興味無し」のアンドレア(アン・ハサウェイ)が、彼女に反発しつつも仕事を支えてゆきます。

この作品で描かれた「ミランダ」は、すぐれた才能と行動力を持ち合わせており、ビジネスマンとしては非常に優れているのですが、彼女の処理能力に周りは全然ついていくことが出来ないのでしょう。この映画のコピーでは有りませんが、私も「こんな上司の下では死にたくない!」ですね。

ファッション業界を舞台にしていたせいか、この映画には世界のファッションリーダ達がたくさん出ていました。デザイナーの「ヴァレンティノ・ガラヴァーニ」やスーパーモデルの「ハイディ・クラム」「ブリジット・ホール」なども出ていたようです。もっとも私は、主人公のアンドレアと同じで、ファッション「センスゼロ・興味無し」なので、誰が誰やら全く解りませんでしたが。

プラダを着た悪魔(公式HP)

備考 出演 アン・ハサウェイ/メリル・ストリープ/スタンリー・トゥッチ
監督 デビッド・フランケル
2006年11月公開 米国制作


2006年大暑の頃 パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
評点 ジャック・スパロウのヘンタイぶりは健在
娯楽映画らしい娯楽映画だが前回よりは水っぽい薄さ
「帝国の逆襲」型の締め
フォロー パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち(公式HPはここ)と言えば、'03年に公開されたディズニー制作の娯楽超大作です。その公開前は、「海賊」という映画のモチーフとしてはすでに使い古されたものを出したが為に、ディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」のテコ入れだとも揶揄されていましたが、ふたを開けてみればこの年一番の大ヒットとなりました。

この作品を思い返すと、前宣伝では
 ・ジョニー・デップ
 ・オーランド・ブルーム
 ・キーラ・ナイトレイ
 ・ジェフリー・ラッシュ
の4人がメインを張るとの事でしたが、実際はジョニー・デップ一人舞台であり、彼が演じたジャック・スパロウ船長に全て喰われてしまう形となりました。オーランド・ブルームなんかは、この作品と、次年(2004年)に公開された「トロイ(DVD情報はここ)」のせいで、Ki-Tsu-Ne的には「レゴラス役者」(ここを参考の事)というイメージが定着してしまいました(レーニン役者じゃありませんが)。

そして、この程、パイレーツ・オブ・カリビアンの第2弾、「デッドマンズ・チェスト」が公開されました。

映画を見て思ったことは、やはり頭が切れるのかおかしいのか判らない「ジャック・スパロウ」は今回も健在でした。この映画の魅力はやはりこの一点に尽きます。周りの者全てを翻弄させつつも、結局は男気のあるこの人がいないと始まりません。そういう意味では前作のファンに対しての期待に答えていると言えるでしょう。

しかし、今回は話が進んで行くにしたがって、Ki-Tsu-Neとしては不満が募っていきました。一言で言うと、内容が妙に薄いのです。たしかに今回も娯楽作品としての楽しさは十分堪能できたのですが、いつまで経っても(特に後半は)だらだらした感じが続き、全然話が収束しません

そして、ラストは突然やってきました。私はこのラストを見て、「帝国の逆襲と同じだ」と叫んでしまいました。スターウォーズ4〜6シリーズの映画公開をリアルタイムで覚えている方ならばすぐに判ると思います。こんな仕掛けを見ると、Ki-Tsu-Neとしてはバッサリ切って捨ててしまいたい所です。でも、これでは評価を保留せざるをえません。

役者の動きや、特殊効果などはかなり良い仕事をしていましたが、物語の点から言うとこの映画は単体では説明不足の所が多く、前作は必ず見ておかなくてはなりません。トータルとしてはちょっとバランスの悪い作品だなと思いました。本当は来年5月公開予定の第3弾も含めて見るべきものなのでしょう。娯楽作品なのに3本まとまって初めて一つに繋がるというのもちょっとどうかと私は思いますが。

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
  (公式HPはここ


追記
eiga.comでの特集記事(リンクはここ)に、「パイレーツ〜」は海賊版「スター・ウォーズ」だという記事が出ています。言いたい事は解らなくはないのですが、私は単に話のつなげ方が「スター・ウォーズ」そっくりなだけだと思います。ちなみに私は「ジェダイの復讐(現邦題:ジェダイの帰還)」は公開時には見ませんでした。今度の場合は何となく見に行ってしまうんでしょうが。

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パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち コレクターズ・エディション
ゴア・ヴァービンスキー ジョニー・デップ
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備考 出演  ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ
監督 ゴア・バービンスキー  制作 ジェリー・ブラッカイマー
2006年7月公開 米国制作


2006年小暑の頃 ブレイブ ストーリー
評点 RPGのリプレイレポートみたい
映像は多分よくできている
キャスティングは最近の宮崎アニメに似てる
フォロー 宮部みゆきと言えば、「模倣犯」「理由」「火車」などの社会派サスペンス物の小説家として有名です。また彼女はコンピュータRPG愛好家としても有名で、小説「ICO」は、PS2のアクションRPG「ICO」よりヒントを得て執筆されたそうです。たしかにRPG「ICO」の醸し出す世界観は、当代切っての小説家でなくてもその世界に関係した様々な想像をかき立てられます。もっとも私は、風車の庭辺りの攻略3日以上を費やし、それ以来全然手を付けていないのですが・・・。

そして、宮部みゆき原作の「ブレイブ ストーリー」が、このほど映画アニメとして封切られました。小説「ブレイブ ストーリー」は、文庫本も出版されていますが、それらは全三巻となっていて、映画の予習として読むのにはKi-Tsu-Neにとって辛いものが有りました。そのため今回は原作を読まずに映画を観る事となりました。

感想はと言うと・・・。一言で言うと、「RPGのリプレイレポート」のようでした(身も蓋も無い)。アニメの作画は多分丁寧に作られているのだとは思いますが、それが時々「ファイナル ファンタジー」辺りでイベントフラグが立った時の「デモ映像」のようにも見えてしまいました。
ストーリー自体も時々私がここで書く「やっぱりアニメは子供の物(本当はこんな事書きたく無いのだよ)」を地で行くようで、まあ、話は解るけど、「大人には物足りない」という印象でした。原作が宮部みゆきであり、登場人物の心理描写が深い作品を(火車とRPGくらいしか読んでいませんが)目にしているだけにちょっと期待外れです。そういえば、先ほど、この原作は文庫本3冊分と書きましたが、中身は結構ライトだという噂も有ります。結局私には読む暇は無いでしょうけれど。

あと、この映画。キャスティングの方法がまるで宮崎アニメにそっくりです。普通のアニメの場合は、アニメ業界などで活躍している、いわゆる「声優」さんがキャラクター達の声の吹き替えを行います。しかし、こと最近の大作アニメのの場合、声優では無く、名の売れた俳優に吹き替えさせる事も多いようです。多分これはプロモーションの手段としてこのような事をするのでしょう。
この「ブレイブ ストーリー」の場合、主人公「ワタル」の吹き替えを「松たか子」が行っていましたが、「ワタル」が何かしゃべる度、私はヤマザキパンのCMで松たか子が坂道をママチャリでこいでいるシーンが頭に浮かんでしまいました。相手役「ミツル」の吹き替えをしていた「ウエンツ瑛士さん」を私は全く知らないので、何も違和感を感じませんでしたが。

ブレイブ ストーリー (公式HPはここ


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ブレイブ・ストーリー (上)
宮部 みゆき


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ブレイブ・ストーリー (下)
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備考 声の出演 松たか子/大泉洋/常盤貴子/ウエンツ瑛士
原作 宮部みゆき
2006年7月公開


2006年芒種の頃 ポセイドン
評点 リメイクだが十分に堪能出来た
オリジナルの設定を十分に生かしている
でも、オリジナルとは別物として見た方がいい
フォロー この映画の監督ウォルフガング・ペーターゼンと言えば、代表作に「Uボート」「パーフェクトストーム」が有り、Ki-Tsu-Neには、「海難もの」監督のイメージが非常に強く残っています。
あと、この映画は'73年に公開された一大サバイバル映画「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイクです。オリジナル版には、ジーン・ハックマンが出演していました。パニック物としては一級の出来であり、特撮シーンも当時としてはかなり丁寧に作られていました。ちなみにKi-Tsu-Neはオリジナル版を観賞済み(但し30年前)です。

ストーリ全体の流れは、豪華客船がニューイヤーパーティの最中に大津波に襲われ、完全に転覆し、何人かの生存者が船から脱出する為に船底に向かうというものです。これはオリジナル版もリメイク版も余り変わり有りません。
しかし、作中のキャラクター達の仕事や性格、バックヤードなどは全く変わっている上に、脱出への課程も違っています。
それでは内容について言うと、このリメイク版も非常に見応えが有りました。オリジナル版を見た方も十分に納得できます。前作の名を貶めることの無い良い出来映えです。

しかし、映像技術も30年以上経つと変わるものですね。このお話の中で、パーティ会場だったホールで沢山の乗客・乗員が海水に飲み込まれるシーンが有りましたが、私は「よくこれだけのスタントマンを集められたな」と一瞬思ってしまいました。でも、今ならこういう映像はCGで作り出す事も簡単な筈です(CGかどうかは未確認です。CGじゃ無かったら違った意味で凄いですが)。CGのおかげで映像の表現の幅が広がったという意見も納得できます。
けれども、そのせいで、映画には今までよりしっかりとしたシナリオが必要になって来ました。映画のストーリ自体に魅力(悪くても説得力)が無いと、どれだけものすごい映像を作っても白けてしまいます。☆ウォーズ エピソード3(←自主規制)にしても、お話が余りにアレ(余り触れたくない)だったせいで、どんなに凄い映像を見せられても「どうせCGでしょっ」という気分にさせられてしまいましたから。

それから、この話には、なんとも罪作りな「受話器」が出てきました。Ki-Tsu-Neの場合、オリジナル版を知っているだけに余計にそう思うのでしょうが。

ポセイドン (公式HP)

オリジナル版DVDの紹介です。

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ポセイドン・アドベンチャー
ロナルド・ニーム ジーン・ハックマン
Color/Widescreen



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備考 出演 カート・ラッセル/ジョシュ・ルーカス/リチャード・ドレイファス
監督 ウォルフガング・ペーターゼン
2006年6月公開 米国制作


2005年大雪の頃 バトルフィールド アース
評点 不味いと聞かされたが、意外といける(くさやのひものか?)
SFXは良い仕事しています
でも細かい所で「ありえな〜い」
フォロー こんにちわ、Ki-Tsu-Neです。

今月(2005年12月)、GyaO TVにて「バトルフィールド アース」が公開されています。

実は以前、Ki-Tsu-Neはこの映画を観た事が有りまして、今回はこの作品の感想などを書こうと思います。古い記憶を辿りながら書くつもりなので、もし間違った事を書いてしまってもご容赦の程を(もう一度観直すのが面倒なのは内緒)。

この映画、日本での公開当初は「ゴールデン ラズベリー賞」7部門に受賞した事で非常に有名になりました。その頃の映画宣伝にはゴールデン ラズベリー賞とは「米国のSF映画に対する権威ある賞」という説明がされていました。多分、英文のニュースリリースあたりを訳しているうちに、見慣れない単語を見つけたので、適当に説明を付けたのでしょう。いい加減なものです。

知らない方もおられると思うので、ここで簡単に「ゴールデン ラズベリー賞(通称ラジー賞)」について簡単に説明を・・・。

アカデミー賞の前夜に、その年の最低の映画を決める映画賞。「ゴールデン ラズベリー財団」の約500人のメンバーによって決定される。
受賞者には8mmフィルム缶の上に金色のラズベリーをかたどった、約4ドルのトロフィーが授与されるが、受け取りに来る人は余り居ないとの事(去年主演女優賞を受賞したハル・ベリーは、実際に受け取りに来たという事で、映画界では大きなニュースになっていました)
  公式HPはここ(英語)

常連受賞者には「シルベスタ・スタローン」「マドンナ」がいます。
(allcineba Onlineを参考にしています リンクはここ

話を戻して、あらすじを簡単に紹介すると、

20XX年、突然地球に異星人「サイクロ人」が来襲し、たった9分で地球は征服されてしまいます。それから1000年後、主人公のジョニーはサイクロ人に囚われ、奴隷にされてしまいますが、その反撃の準備を始めるのでした・・・。

この作品、最初Ki-Tsu-Neが聞いた所では、とてつもなくひどいという噂が有りましたが(「ラジー賞7部門独占」という勲章もついてますし)、実際に見てみると意外と楽しめました。「あまり考えずに楽しむ」という、ある意味「ハリウッドの伝統」に則った作品とも言えるでしょう。

もっとも、話の細かい所を言うと、ちょっと何だかなぁと言いたくなる所(敵と戦うのに知識が必要だからって、三角関数を教えてたら、体制が整うのに何十年かかるのでしょう?)がかなり有りました。まあ、「あまり考えずに楽しむ」事が大切ですから・・・。

全体的に、どうしようもなくつまらないわけではない。でも、本当に良い作品というわけでもない。なんだか中途半端なイメージが残ってしまいました。意外とSFXが派手めなので、話は聞き流しておいて、映像を中心に楽しむのが良いのでは無いかと思います。

備考 出演 ジョン・トラヴォルタ/バリー・ペッパー
監督 ロジャー・クリスチャン
原作 L・ロン・ハバード
2000年10月公開 米国制作


2005年小雪の頃 ハリーポッターと炎のゴブレット
評点 2分冊の原作をよくまとめました
添え物のキャラクターが多い
先に原作は読んだ方がいい
フォロー この数年、「スターウォーズ」「指輪物語」と、映画界ではシリーズ物の大作が多く作られていました(Ki-Tsu-Neは「インファナル アフェア」も注目していましたが)。そのシリーズ物ラッシュも「SW3」で一段落が着き、後はこの「ハリーポッターシリーズ」を残すのみとなりました。

「ハリーポッター」と言えば、J.K.ローリング女史の原作によるあまりにも有名な魔法ファンタジーです。

この「ハリーポッター」シリーズ、原作の分量が相当多い上に、物語の描写もかなり念入りにされていた為、その映画化は困難だと言われていました。私も一作目公開時は物語自体もさることながら、映像化への取捨選択がどう行われるかも注目しておりました。最初の作品「賢者の石」の場合は、小説をそのままトレースして撮影をしたが、上映時間が3時間も有った割には窮屈な感じがしました。この後、二作目も同じような印象を持ちました。そのような事が続いたせいか三作目である「アズガバンの囚人」では原作から一部が割愛されていました。しかし、整理が十分練り切れていなかった為か、シリウス・ブラックは「ギャーギャー」騒ぐだけのおっさんに成り下がっていました。

今回の作品「炎のゴブレット」では、原作がとうとう二分冊になってしまいました。まともに映像化すれば「6時間」分の素材が与えられたわけです。実際どのような映画になるのか、私は原作が出版された時点から気になっていました。

結論から言うと、原作の整理はうまく為されていて、物語の核の部分は十分な描写がされていました。全体的には見応えが有りました。もっとも、「三大魔法学校対抗試合」の競争相手達の描き方は「添え物」的な扱いになってしまいましたが・・・。

あと、今回は、ハリーにとって気になる少女が出て来ます。原作では一つ年上のチャーミングな東洋人という事になっていまして、映画のキャスティング時にはかなり大がかりなオーディション(噂では5000人程も集めたとか)が行われたそうですが、スクリーンに映し出された人物は、Ki-Tsu-Neが思うところ「西洋人の思うところのチャーミングは我々東洋人とはかけ離れているのかな?セクシーという設定のはずのジェームズ・ボンドも4代目以降はかなりアレだし」という具合でした。何年か前に、ハリーポッターシリーズにBoAが出演するという噂が流れた事が有りましたが、本当にBoAが出演した方が良かったのでは無いかと思います。

そんなこんなで言いたい放題してしまいましたが、原作からのカットがかなり有ったにも関わらず、十分に楽しめる作品でした。
さて、次回作は「不死鳥の騎士団」です。この作品も2分冊です。次の作品も楽しみにはしていますが、その前にこの電話帳みたいな2冊を、寝る間を惜しみつつどうにか片づけなくてはなりません。

追記
あ〜っ、この冬は「ナルニア国物語」が控えています。また大作シリーズ物か・・・。

追記2
う〜っ、さらに「ライラの冒険」なんてのも・・・。

ハリーポッターと炎のゴブレット(公式HPはここ

備考 出演 ダニエル・ラドクリフ/ルパート・グリント/エマ・ワトソン
監督 マイク・ニューウェル
原作 J・K・ローリング
2005年11月公開 米国制作


2005年小暑の頃 バットマン ビギンズ
評点 渡辺謙、ハリウッド本格進出
バットマンの成り立ちが丁寧に描かれている
この夏一番面白い作品になるでしょう
フォロー え〜っと、Ki-Tsu-Neです。

最近、只でさえ映画レビュー地獄だと言うのに、さらにごにょごにょと初めてしまったせいでかえって自分の首を締めてしまって身動きが取れない今日このごろです。皆さん、いかがお過ごしですか?

さて、「バットマン ビギンズ」です。
この、バットマンの映画シリーズ、アメリカではかなり人気が有ったそうですが、日本ではいまいちウケが悪かったそうです。噂ではTVシリーズと比べて映像のダークな雰囲気と、主人公の影の部分が強すぎたのが原因とか。もっとも、Ki-Tsu-Neは、悪役に一流どころを起用している上にどいつもこいつもイッちゃっていた所が気にいってましたけどね(ジャック・ニコルソンとかトミー・リー・ジョーンズとかニコール・キッドマンとかジム・キャリーこれはイッてる人専門か)。

この6〜7年は新作が作られていませんでしたが、この程「新・バットマン」が封切られました。テーマは「どのようにしてブルース・ウェインはバットマンになったのか」です。 幼少の頃に親を殺された主人公が、いろいろな経験を積み重ねながら成長していく過程が緻密に描かれている所に好感を持ちました。

主人公が超金持ちという設定のせいか、時々「そんな アホな」と漏らしてしまいそうな場面も有りましたが、今回のバットマンは非常に楽しめました。Ki-Tsu-Neはこの夏一番の作品としておすすめします(宇宙戦争ももう見たし・・・)

あ、でも、この作品の一番の見所と言われた「渡辺謙」ですが、あまり期待しない方がいいでしょう。扱いは「中ボス」程度でしたし、台詞はそこそこ有りましたが、英語の部分では「怪しい東洋人が怪しいアメリカ語」を発していた(演出かどうかは不明)ため、渡辺謙の魅力が発揮されたとは言えませんでした。正直、この作品に彼が出演する必然性を感じませんでした。
彼に新しいハリウッド作品のオファーが来るのかは微妙な気もします(もしオファーが来てたら、かなり失礼な事書いてるな)。

バットマン ビギンズ(公式HPはここ

備考 出演 クリスチャン・ベイル/マイケル・ケイン/リーアム・ニーソン
    モーガン・フリーマン/ゲイリー・オールドマン/渡辺謙
    (ルドガー・ハウアーが出てたんだ・・・)
監督 クリストファー・ノーラン
2005年6月公開 米国制作


2005年小満の頃 バタフライ エフェクト
評点 ◎ (後は見てから決めてもらいたい)
フォロー 例えば、皆さんが友人同志で集まって他愛の無い話をしている時。あるいは、夜も更けて、静かに一人考え事をしている時。どんな事を考えているのでしょうか。 いろいろと苦労をしたり、今の生活に不満を持っていたりすると「あの頃に返りたい」と想う事も多いかも知れません。
えっ?私はどうかって?私は「昔に返りたい」などとは絶対に想いません。だって、248年も生きていると、戻りたい所が多すぎて、かえって気が滅入るから。

エヴァンは心理学を専攻する大学生。成績は優秀で、ルームメートからは「目立つからAを取り続けるのは止めてくれ」と言われるほどです。
でも、彼ら小さい頃から、強い心理的ストレスが加わると、その間の記憶が無くなるという精神障害を抱えていました。原因も全く解らず、主治医も、「後から記憶を取り戻せるかもしれない」という消極的理由で日記を書かせる他に手だてが無い状態です。
しかも、幼少時のエヴァンは児童ポルノを取らされたり、自分の飼い犬を焼き殺されたりで苦しい思いし続けます。そして、彼は自分の育った町を離れる事になるのです。幼なじみのガールフレンド置いて。

幸いにも、新しい生活を始めてからは突然記憶が無くなる事も収まり平穏な日々を送り続けていました。
ある日、ふとしたことから昔の友人達の様子を知り、愕然とします。
そして、ガールフレンドの元を訪ねていくと、彼女はエヴァンの「必ず迎えに行く」という言葉を信じながら、落ちぶれた生活をしていました。しばしの再会を懐かしむ2人。でも、ガールフレンドはエヴァンと自分の落差に絶望しながら彼から別れていくのです。
途方に暮れながら自分の部屋に戻ったエヴァン。その時、部屋の電話が鳴り響きます。電話の主はガールフレンドの兄。彼からガールフレンドはエヴァンを恨みながら自殺した事を告げられます。さらに「お前を殺してやる」とも。

八方塞がりにされてしまったエヴァンは、ふと、自分の日記に手をやり、じっと読み返し始めました。すると・・・・・・。



私は、古い映画で無い限り、ここでのレビューではあらすじは書かないようにしています。でも、今回はあえてそれを破ってみました。
なぜ私がこんな事をしたかが気になったならば、一度この映画を見てみてください。
そして、あなたは「あの頃に返りたい」と思うかどうかも。

バタフライ エフェクト(公式HPはここ

備考 出演 アシュトン・カッチャー/エイミー・スマート
    ウィリアム・リー・スコット/エルデン・ヘンソン
監督 エリック・ブレス
2005年5月公開 米国制作


2005年春分の頃 博士の異常な愛情
評点 いまの若い人は「冷戦」とか「核の傘」とか「米ソはお互いに核を積んだICBMを相手に向けあってい」たとか聞いても何の事か解らないのでしょうねでも米とか露あたりはまだまだ沢山持っているしイス○エルとか朝■半△とかイラ★あたりはかなり欲しがってるみたいだし緑の党は止めたみたいだけどそもそも「核」自体地球を20回ほど滅ぼしてもまだ余るくらい残ってるし・・・
フォロー スタンリー・キューブリックと言えば、「2001年宇宙の旅」「時計仕掛けのオレンジ」「ロリータ」など、完成度の高い映像だけでなく、その時々において問題となる作品を提供した映画監督として有名です。
また、'99に70歳で亡くなった事を考えると非常に寡作だった事でも名が通っています。Ki-Tsu-Neが調べた所、商業向けに作られた映画は12本程度のようでした。

そんなある日、Ki-Tsu-Neは、たまたま立ち寄ったレコード屋でキューブリックのコメディ「博士の異常な愛情」を見つけ、即買いをしてしまいました。理由は唯一つ、安かったから

この「博士の〜」あらすじを書くと、だいたいこんな感じになります。

時代背景
第二次世界対戦が終わったのも束の間、対戦後の勝者として超大国である米国とソ連がにらみ合いを始め、いわゆる「冷戦構造」が確立した頃の話です。
この映画の中ではICBMの本格運用は始まっておらず、核運搬は戦略爆撃機が主力となっています。

本編
そんなある日、とある米空軍基地の司令官が自分の配下の戦略爆撃機に対し、ソ連への核攻撃の命令を発しました。
しかし、米国上層部はそんな命令は出していません。くだんの司令官が勝手に出したものでした。米国上層部はなんとかその命令を取り消そうとしましたが、司令官が管理している通信暗号のパスワードが無いと取り消しは不可能な事が解り、関係者に戦慄が走りました。
米国大統領は直ちに駐米ソ連大使を呼び、状況説明を行い、場合によっては戦略爆撃機を打ち落として貰うように要請します。そのとき、ソ連の軍事基地などが核攻撃を受けた際には、全自動で世界中に核物質をばらまく「皆殺し兵器」がすでに配備されていると駐米大使より聞かされます。
世界の終わりが目前にせまっている!!司令官を捕まえるために空軍基地に大量の兵が送り込まれました。激しい攻防戦の末、基地の占領には成功したのですが、肝心の司令官は自殺してしまいます。
幸いにも、その司令官付きの副官が、司令官とのやりとりをヒントにパスワードを探り当て、なんとか大統領たちに伝えたのです。
爆撃機には直ちに攻撃中止の指令が伝えられ、ソ連領へ迫っていた爆撃機は引き上げていきました。全面戦争は避けられたのです。
ところが、通信機が故障した1機の爆撃機がなおもソ領内へ突っ込んでいくではありませんか!!
核はソ連基地へ落とされるのか?爆撃機の運命は?そして世界はどうなるのか??

ふうっ、長かった。

この映画、あのピーター・セラーズが一人三役(空軍基地の副官、米国大統領、後はご覧になって確認下さい)を演じている事でも有名です。ピーター・セラーズといえば、「ピンクパンサー」シリーズで有名ですが、やはり超一流のコメディアンです。三役ともクルーゾー警部とは違うタイプの役ですが、それぞれで大いに笑わせてもらいました。しかし、この三役を全部足したら「クルーゾー警部」になるような気がするのはKi-Tsu-Neの気のせいでしょうか。

「博士の〜」の時代背景は今と比べるといささか古い(今ではソ連は崩壊していて、米国が核を突きつけるような相手はいません。米国はケンカ相手を探し回っているようにも見えますが)ですが、世界が「博士の〜」で描かれている状況に陥る危険性は未だ変わりません。そういった意味ではこの映画、まだまだリアリティを放ち続けていると言えるでしょう。

今まで「2001年〜」や「シャイニング」あたりはよくビデオやDVDにはなっていたのですが、どういうわけかこの「博士の〜」はあまりビデオ化されませんでした。しかし、今ならDVDで2600円程で販売されています。いい世の中になったものです。ビデオテープ全盛の頃は最低でも8000円位で売られていたのに。今後、こういう古い作品が安く出回るようになっていくのでしょう。お陰でネタ探しがしやすくなります(ネタの為なのか)。

まあ、ここでは小難しい事を書いている所もありましたが、作品自体はストレートに楽しめるようになっています。もっとも、面白いけど、素直には笑えないシーンが一杯つまっていますが。

それでは最後に。

総統! 歩けます!

備考 出演 ピーター・セラーズ/ジョージ・C・スコット
監督 スタンリー・キューブリック
題名 博士の異常な愛情
    または私は如何にして心配するのを止めて水爆を・愛する・ようになったか
1964年公開 英国/米国制作


2005年啓蟄の頃 ボーン スプレマシー
評点 アクションシーンは丁寧な出来映えです
ストーリの細かい所は考えないように
間違っても原作を先に読んではいけません(この映画は原作とは別物)
フォロー 前作の「ボーン アイディンティティ」は、ロバート・ラドラムの代表作「暗殺者」を原作にと言うよりは、「頭30ページをモチーフにして話を作り上げた」オリジナル作品として仕上がっていました。原作が持っていた「緻密に張り巡らされた罠をくぐり抜けながら、自分の上司であった敵を追いつめていく」という部分は嗚りを潜め「カーアクションはしっかり撮れてる」「マット・デイモンって体育会系もいけるんだぁ」という感想が残っています。

まあ、原作と比べればスケールは9割ダウンの前作でしたが(原作は映画3本分くらいの密度のある話なの で、そのまま映画化した物が見たくなるかも微妙ですが)、それでもアクション娯楽作品としてみれば掘り出し物だとも言えるでしょう。

さて、ボーン スプレマシーです。
先週、オーシャンズ12でちょっと悲しい気分になった事のお口直しです(こういう時は大体ロクな事が無い)。

前回の事件以降、ゴアに隠れるように住んでいたボーン達。突然の刺客に襲われます。そして、前作で敵から一緒に逃げた自分の恋人を失います。丁度同じ頃、ベルリンではあるCIA工作員とその協力者が殺されます。しかも何者かによってボーンが殺したように見せかけれて。
ボーンはCIAに追われながらも、自分を襲った敵を追っていくのでした。

あらすじ自体は大体こんな所でしょう。しかし、この作品、前作のおさらいをしてから見ないと、どうも訳が解らなくなるらしいです。私の場合は前作のわき役をかなり忘れていたので本作の方でよく解らない所が出てしまいました。あ、でも、前作をしっかり覚えていたとしても、ストーリ重視で映画を見る人にとっては不満が出そうです。

※注 ネタばれモードです
年がいった悪い人はボーンに悪事がばれた所であっさり自殺しちゃうし、
悪いロシア人はよく解らん間に逮捕されるし。

正直、話の展開が前作以上に雑だったのが気になりなした。
もっとも、カーアクションや格闘シーンは非常に良く出来ていました。最近のアクション映画は時々CG合成臭さが鼻に付く物も有ることを思うと、丁寧な出来に仕上がっています。それでもKi-Tsu-Neはちょっとだけ寝ちゃったけども・・・。
備考 出演 マット・デイモン/ジョアン・アレン/フランカ・ポテンテ
監督 ポール・グリーングラス
2005年2月公開 米国制作


2004年小雪の頃 ハウルの動く城
評点 作品の良し悪しに関係なく沢山見に行くんだろうなあ
「キムタク」、意外と良かった
取ってつけた「ハッピーエンド」はKi-Tsu-Neは嫌い
フォロー 「紅の豚」公開直前に宮崎駿が受けていたインタビューの中で、「ポルコ・ロッソ(紅の豚の主人公)はかっこいい中年男を描いたものだ」と言っていましたが、実際の作品を見て、一種のずれを感じたと同時に、宮崎駿は観衆をあまり気にせず、物語を自分の描きたいように描くの人だなと印象を持ちました。

さて、感想の方なのですが、声優については意外とがんばっていました。特に、キムタクが声優をすると聞いた時点でかなりの人が疑問を感じていたようでしたが、彼が演じた「ハウル」のキャラクターを含めて考えると、むしろ適役だったとも思います。
城の動くシーンはやはり緻密な宮崎アニメらしく迫力がありました。一番前の席で見たからだけなのかも知れませんが。 話の展開自体は比較的テンポ良く進み、スピード感はありました。小説を読むときに、どちらかというと一気に読み飛ばすタイプの方なら十分楽しめると思います。
ただし、内容となると、ソフィーがハウルの為に活躍するのは良いにしても、その周りのストーリが貧弱では無いかと思われます。突っ込み所は結構有りますが、この物語の背景になる「戦争」があまりにもうすっぺらで、話の重要なキーワードになるはずの「ばかばかしい戦争」の実感がこもって来ません。あと、「荒野の魔女」があまりにももったいなかったです。せっかくの異形な造形が、せっかくの美輪明宏が・・・。このキャラクターだけでも十分に魅力的なストーリーが作れたというのに、全然活用出来ていなかったせいで消化不良感が強くなってしまいました。

あと、私が見に行った映画館の売店が、ハウル関係のグッズだらけだったのは驚きました。動く城やら、ハウルとかソフィーとかのフィギュアーとか、カルシファーのマスコットのくっついた鉛筆とかノートとかボールペンとか、定番のカレンダーも沢山有ったし。ハウルまんじゅうもありました(これは嘘)。まあ、そんなこんなで50種類以上も準備されていて、そんな物たちが所狭しと並んでいたのにはちょっと胃のあたりがウッとなってしまいました。
備考 出演 賠償千恵子/木村拓哉/美輪明宏
監督 宮崎駿
2004年11月公開 スタジオジブリ制作


2004年白露の頃 バイオハザード2 アポカリプス
評点 Stage2? Scene2? Pattern2? Chapter2??
ミラ・ジョボビッチのアクションはいつ見ても面白い
主人公たちのメイク・衣装がポリゴンのように見えたのは気のせいか?
フォロー ミラ・ジョボビッチという女優さん。いいですねぇ。美人だけど、凛としていて、媚びない。ほれぼれしますね
この人をKi-Tsu-Neが初めて見たのはリュック・ベッソン監督の「フィフス・エレメント」でした。
Ki-Tsu-Neの記憶では、「ニキータ」「レオン」骨太なバイオレンス映画を作り続け、ハリウッド進出を果たした所で世界を「えっ?(あっ!では無い)と言わせた作品であったと思います。痛いシーンが続く中、ジョボビッチの体当たりの演技が光っていました。
経歴とかを見てみましょう。ここはKi-Tsu-Neの御用達「ここ」を見てみましょう。1975年キエフ生まれ。スラブ系のようです。9歳のころからモデルとして活躍していたそうで、「フィフス・エレメント」は一度オーディションに落ちたものの、リュック・ベッソンに直談判して役を得たとも。ガッツがありますね。
映画賞履歴も有るようなので、見てみましょう。

ゴールデンラズベリー賞
2000年 ワースト主演女優賞 ジャンヌ・ダルク
1998年 ワースト助演女優賞 フィフス・エレメント
1992年 ワースト新人賞 ブルーラグーン

う〜ん、我らがラジー賞ばかりにノミネートされてるし。 まあ悪評と言うのもそんなに悪いものではないと思います。それだけ注目度が高いという証拠ですし。今、油が乗っている所なのでしょう。マドンナとかシルべスタ・スタローンみたいにラジー賞常連という事にならないよう願っております。

作品についてはいきなりラストへ。

前作ではかなり不自然な終わり方をし、本作に期待を持たせてくれましたが、今回ももう一つ不自然なラストを我々に示しました。
これは良い意味で次への興味が湧いてきます。アリスの瞳とアンブレラ社の社章とが重なる所はちょっとやり過ぎのような気もしますが。
Go to Next Stage.じゃなくて、3作目も期待しましょう。
備考 出演 ミラ・ジョヴォヴィッチ/シエンナ・ギロリー/
    ジャレッド・ハリス/オデッド・フェール
監督 アレクサンダー・ウィット
2004年9月公開 カナダ/イギリス制作(ハリウッド謹製じゃないんだ)
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